2013年10月16日
色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年
主人公のつくるが上京してから、あんなに仲の良かった4人(名前にそれぞれ色が入っている)から絶交させられる。その原因が解らぬまま大人になり、その後の人とのつきあいも、昔の傷を引きずったままなんとなくしっくりいかない。かれはやがて昔の4人を訪ねにいく。つくるはどんな仕打ちをされても相手を直接憎まない。冷静に理解しようとする。この物語は根底に優しさや哀しみが滲み出ています。やがて未来にむけてつくるが苦しみを乗り越えていこうとする様子にとても救われた気がします。