ティンカーベルの徒然日記（横浜市南区の美容室）

かれこれ20年近くご贔屓にしていただいているN様は数年前、生死をさまよい、しばらくは普通の生活に戻ることはできませんでした。70代になられてからの大病は、およそ皆、口にこそ出さぬとも、とうていまともにひとりで暮らせるなどとは思えないくらい大変な状態でした。しばらくして風の噂にリハビリの病院から、退院し、人の手を借りて元の住まいに戻ったと聞いたのです。それからというもの私が送迎をし、杖のN様の手を引いてご来店されるようになったのです。ところがこの年代の方にしては不思議なくらいにお元気になっていらしたのです。性格がさっぱりして前向きでいらっしゃるので、少しずつ前進していらっしゃるのです。去年からはエステもさせていただいています。ちょっとの段差も危うかったのに、今ではけっこうおひとりでも杖はつきつつ歩いていかれます。なんだか不思議な光景です。じんわり嬉しさが込み上げます。決して愚痴らず、どんな苦境も前向きであっぱれなその後ろ姿に、凛とした生きざまを教えていただくのです。